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寝る姿勢といびき
人の寝姿勢は、基本的に「仰向け」「横寝」「うつ伏せ」の3つで、一般的に睡眠の質が最もよくなるのは「仰向け」です。その理由は、後頭部、背中、臀部、かかとなど数カ所で体を支えるので、体にかかる負荷が軽減され、リラックスしやすいからですが、「仰向け」はいびきをかきやすくなる可能性があります。
いびきのメカニズム
鼻から肺までの空気の通り道を「気道」といいます。口を開いて仰向けで寝ると、重力の影響で舌が喉の奥に落ち込み、気道が狭くなります。狭くなった気道を空気が通ると、空気の渦ができ、喉と鼻の粘膜を振動させて「いびき」が発生します。このとき、狭くなった気道が完全にふさがれてしまうと、「無呼吸」になります。
いびきをかきやすい人などは、仰向けより横寝がおすすめ
上のデータは、睡眠外来受診の患者に行った夜間の睡眠中のいびき、低酸素、無呼吸の1時間平均回数の調査結果です。仰向けより横寝・うつ伏せのほうが回数が少なくなっています。
いびきや無呼吸の症状を軽減させる方法としては、横寝もひとつの改善策です。うつ伏せも軽減できますが、顔を横に逃がさなければならず、首を痛めてしまうので、横寝がおすすめです。
なお、長期間大きないびきをかき続けていたり、無呼吸症の傾向がある場合は健康に影響を及ぼす危険性があるので、専門医に相談しましょう。
監修:遠藤 拓郎(スリープクリニック調布院長・慶應義塾大学特任教授)