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「全世代型社会保障構築を目指す
改革の道筋(改革工程)」決定

昨年12月、政府は「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」を決定しました。能力に応じて全世代が支え合う全世代型社会保障を構築することで、将来世代も含めた全世代の安心を保障し、社会保障制度の持続可能性を高めるため、今後取り組むべき課題を示しました。

 

3つの段階で取組

改革工程では、「働き方に中立的な社会保障制度等の構築」、「医療・介護制度等の改革」「『地域共生社会』の実現」の3分野について、時間軸を考慮し①2024年度に実施する取組、②「こども・子育て支援加速化プラン」の実施が完了する2028年度までに実施について検討する取組、③2040年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組、の3つの段階に整理しています。

「医療・介護制度等の改革」で
2028年度までに25項目の取組を検討

「医療・介護制度等の改革」の②は、「生産性の向上、効率的なサービス提供、質の向上」に16項目、「能力に応じた全世代の支え合い」に5項目、「高齢者の活躍促進や健康寿命の延伸等」に4項目の計25項目があげられており、主な内容は次のとおりです。

  • 生産性の向上、 効率的なサービス提供、質の向上

    《医療DXによる効率化・質の向上》
    ・標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテの整備を行う。カルテ情報が医療機関間で切れ目なく共有されることで、日常の診療から、救急医療・災害医療においても、より質が高く安全な医療を効率的に提供することが可能になる。
    《効率的で質の高いサービス提供体制の構築》
    ・リフィル処方箋のさらなる活用に向けて取り組む。
    ・多剤重複投薬や重複検査等の適正化に向け、さらなる実効性ある仕組みを検討する。

  • 能力に応じた全世代の支え合い

    《医療・介護保険における金融所得の勘案》
    ・国民健康保険制度、後期高齢者医療制度、介護保険制度における負担への金融所得の反映のあり方について検討を行う。
    《医療・介護保険における金融資産等の取扱い》
    ・医療・介護保険における負担への金融資産等の保有状況の反映のあり方について検討を行う。
    《医療・介護の3割負担(「現役並み所得」)の適切な判断基準設定等》
    ・「現役並み所得」の判断基準の見直し等について検討を行う。

  • 高齢者の活躍促進や健康寿命の 延伸等

    《経済情勢に対応した患者負担等の見直し》
    ・高額療養費制度のあり方について、賃金等の動向との整合性等の観点から、必要な見直しの検討を行う。
    ・入院時の食費について、食材料費等の動向等を踏まえつつ、必要な見直しについて検討を行う。

社会保障制度を将来世代に確実に引き継いでいくために、工程に沿って幅広い検討と改革の実行が求められます。

2028年度までに実施について検討する取組

生産性の向上、効率的なサービス提供、質の向上

◆ 医療DXによる効率化・質の向上
◆ 生成AI等を用いた医療データの利活用の促進
◆ 医療機関、介護施設等の経営情報の更なる見える化
◆ 医療提供体制改革の推進
◆ 効率的で質の高いサービス提供体制の構築
◆ 医師偏在対策等
◆ 介護サービスを必要とする利用者の長期入院の是正
◆ 介護の生産性・質の向上(ロボット・ICT活用、協働化・大規模化の推進等)
◆ イノベーションの推進、安定供給の確保と薬剤保険給付の在り方の見直し

他7項目

能力に応じた全世代の支え合い

◆ 介護保険制度改革(利用者負担(2割負担)の範囲の見直し、多床室の室料負担の見直し)
◆ 医療・介護保険における金融所得の勘案
◆ 医療・介護保険における金融資産等の取扱い
◆ 医療・介護の3割負担(「現役並み所得」)の適切な判断基準設定等

他3項目

高齢者の活躍促進や健康寿命の延伸等
◆ 疾病予防等の取組の推進
◆ 経済情勢に対応した患者負担等の見直し
ⅰ 高額療養費自己負担限度額の見直し
ⅱ 入院時の食費の基準の見直し

他2項目

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