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20代から注意が必要
子宮頸がん

子宮がんとは、子宮の入り口の頸部で発生する「子宮頸がん」と、その奥の体部で発生する「子宮体がん」があります。国は、「子宮頸がん」検診の定期的な受診を推奨しています。

  • 子宮頸がんってどんな病気? 原因は?

    子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんです。おもな原因は性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。HPVは性交渉によって感染することがある、ごくありふれたウイルスです。感染しても、多くの場合消滅しますが、まれに感染が持続し、がんへと進行します。子宮頸がんになる人は、20代後半から急増し始めます(下図)。

子宮頸がんになった人の割合(上皮内がん含む)
出典:「全国がん罹患データ(2018年)」(国立がん研究センター がん情報サービス)

  • 仕事や家庭の用事で検診に行けなくて… だけど、症状もないから大丈夫だよね?

    早期の子宮頸がんは症状がありません。ですが、早期発見し治療をすれば90%以上が助かることがわかっています。したがって、症状がなくても定期的に子宮頸がん検診を受けることが重要です。国は、20歳以上の女性が2年に1回の検診(子宮頸部細胞診)を受けることを推奨しています。
    ※自己採取法による細胞診は精度が著しく低いため推奨されていません。

こんなときは婦人科の受診を!

子宮頸がん検診の結果が「要精密検査」だった

せっかく発見できた病気のサインですから、1カ月以内を目安に必ず婦人科を受診して精密検査を受けてください。放っておくと、進行して子宮の摘出が必要となる場合もあります。

下記の症状がある

・不正出血(おりものの異常、月経以外の出血)
・下腹部の痛み
・月経不順(月経が来ない、月経周期が短い・長い)
・月経困難(生理痛が強い、出血量が多い)

HPVワクチン接種の積極的勧奨が2022年4月から再開

厚生労働省は2013年以降、対象者等へのHPVワクチン積極的勧奨を差し控えていました。しかし2021年11月に、最新の知見をふまえ、改めてHPVワクチンの安全性に特段の懸念は確認されず、有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められ、積極的勧奨を再開しました。HPVワクチンは、子宮頸がん全体の50~70%の原因となるHPVの感染予防に効果があるとされています。
なお、積極的勧奨の差し控えにより定期接種の機会を逃した世代(1997年~2005年生まれ)の女性は、2022年4月~2025年3月の間に無料で接種できます。HPVワクチンの理解を深めたうえで接種を検討してください。

監修:静風荘病院 女性内科・女性外来 天野 恵子 医師

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