WOMAN'S HEALTH

女性のからだケア&キュア

自分の乳房に関心を! ブレスト・アウェアネス

日本人女性にもっとも多い乳がん。「ブレスト・アウェアネス」は乳房を意識する生活習慣のことで、日ごろから自分の乳房の状態に関心を持つことが乳がんの早期発見につながります。さぁ、あなたも今日から始めましょう。

1年間に約9万人が乳がんと診断されている

乳がんは乳腺組織にできるがんで、その発生には女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっているとされています。
新たに乳がんと診断される人は増加傾向にあり、その数は1年間で約9万人に上ります。乳がんになる人は40歳ごろから急増し、45〜74歳ごろが発症のピークです
乳がんは日本人女性にもっとも多いがんですが、早期に発見すれば治る可能性が高いがんでもあります。そのため、日ごろから自分の乳房の状態に関心を持ち、乳がんの早期発見につなげる「ブレスト・アウェアネス」が推奨されています。
※出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)(2019)

乳がんのおもな発生要因

□ 初経年齢が低い、閉経年齢が高い
□ 出産経験がない、初産年齢が高い、授乳経験がない
□ 飲酒量が多い
□ 閉経後の肥満
□ 運動不足
□ 乳がんになった血縁者がいる

ブレスト・アウェアネス4つのポイント

  • ❶ 自分の乳房の状態を知る

    入浴やシャワー、着替えのときなど、ちょっとした機会に自分の乳房を見て、触って、感じる乳房チェックを習慣にする。

  • ❷ 乳房の変化に気をつける

    ふだんの自分の乳房の状態を知ることで、以下のような乳房の変化に気づける。しこりを探すという行為や意識は必要ない。
    □ 乳房のしこり
    □ 乳頭からの分泌物
    □ 乳頭や乳輪のただれ
    □ 乳房の皮膚のくぼみや引きつれ
    □ 乳房の痛み など

  • ❸ 変化に気づいたらすぐに医師へ相談する

    乳房の変化は、乳がんの症状の可能性があるため、乳がんの早期発見・早期治療のためにも、なるべく早く乳腺の専門医へ相談する。

  • ❹ 40歳になったら2年に1回乳がん検診を受ける

    日本では40歳以上の女性に対してマンモグラフィによる乳がん検診を推奨している。2年に1回受診することで乳がんの死亡率の減少が科学的に証明されている。乳がん検診は自治体や職場で実施しており、対象年齢に該当すれば少額の負担で受けられる。

    当健保組合の乳がん検診(乳房検査)についてはコチラ

監修:医学博士 武曽 綾子

相談してみませんか? 月経トラブル

月経トラブルがあっても一人で悩んでいる人が少なくありません。しかし、月経トラブルにはホルモンバランスが乱れていたり、何らかの病気が隠れていることもあります。この機会に婦人科などに相談してみませんか。

つらい月経トラブルはガマンしなくていい

多くの女性は何らかの月経トラブルを抱えながらも、それをガマンして日常生活を送っています。
月経には月経前の軽い不調や月経痛を伴います。また、女性ホルモンの分泌は年齢や体調、ストレスなどの影響を受けるため、月経の周期や日数、月経血量は一定とは限りません。
しかし、月経に伴う症状がつらくて日常生活に支障がでていたり、正常な月経の目安と違う状態が続く場合、ガマンは禁物です。婦人科や産婦人科、女性外来などに相談してきちんと対処することがすすめられます。

正常な月経の目安

「月経」とは…妊娠に備えて準備した子宮内膜がはがれ落ちる際の周期的な出血。女性ホルモンの働きによって起こる。
● 月経周期  :25〜38日
● 月経持続日数:3〜7日以内
● 月経血量  :20〜140mL
● 月経随伴症状:なし〜軽度

婦人科などに相談したい月経トラブル

  • 月経前のイライラや抑うつ、 お腹の張り、頭痛などがつらい(月経前症候群)

    ● 薬や漢方で症状を軽減できる

  • 月経痛で日常生活に支障がある(月経困難症)

    ● 薬によって痛みを軽減できる
    ● 子宮内膜症などの可能性もある

  • 月経血量が異常に多い、 月経血に血のかたまりが混じる(過多月経)

    ● 子宮筋腫などの可能性がある

  • 3カ月以上月経がこない(続発性無月経)

    ● 原因はやせすぎやストレスなど
    ● 長引くと不妊などにつながる

  • 月経周期が長い、もしくは短い(稀発月経か頻発月経)

    ● 卵巣やホルモンの異常が疑われる

  • 月経時以外に出血がある (不正出血)

    ● 子宮頸がんなどの病気の可能性がある

ほかにも気になる症状やいつもと違う症状があれば受診しましょう

「かかりつけ医」を持とう

月経以外にも女性の心や体は生涯を通じて女性ホルモンの影響を受けます。女性の体のことをわかっている婦人科などの「かかりつけ医」を持っていれば、体のちょっとした変化や不調、不安も相談しやすく安心です。

監修:医学博士 武曽 綾子

その貧血、放置はキケン!? 脱・“鉄欠乏”宣言!

ライフステージの変化にともない、心身の不安が多くなりがちな現代の女性。女性特有の病気や症状も気になることが多いはず。今回は「鉄欠乏性貧血」についてご紹介します。

  • 鉄欠乏性貧血とは?

    月経のある20〜40代の女性では、約20%が鉄欠乏性貧血だといわれています。体内の鉄分が不足している状態で、下記のような症状がみられるうえ、妊婦が貧血の場合は、低体重児の出産や死産のリスクが増えるという研究結果もあります。

  • 鉄欠乏性貧血の症状例

    ・めまい ・立ちくらみ ・動悸 ・息切れ ・倦怠感 ・頭痛 ・集中力の低下  ・手足の爪の変形

  • 鉄欠乏性貧血のメカニズム

    酸素を全身に送り届ける働きをしているのが、血液中のヘモグロビンです。鉄分によって構成されているため、体内の鉄分不足と同時にヘモグロビン量も減り、体内に十分に酸素が行き渡らなくなってしまいます。

  • 鉄欠乏性貧血のリスク要因

    ・月経がある ・妊娠中 ・授乳中 ・ダイエットをしている(偏食・節食) ・朝食を食べない

日常的にこつこつと。食生活で鉄分不足解消

とくに月経のある女性は、鉄分不足に悩まされがち。ちょっとした不調を放置せず、対策として、日ごろから食生活をしっかりと意識しましょう。

鉄分・たんぱく質を意識した食事を
肉や魚などに含まれる鉄分は、野菜や海藻などに含まれる鉄分よりも吸収率が高くなります。また、ヘモグロビンの材料にはたんぱく質も含まれるため、たんぱく質のもとになる必須アミノ酸を含む米飯は、麺類やパンよりもおすすめです。

飲み物でも手軽に鉄分を補充!
鉄分の含有量を通常より増やした飲み物が多く市販されているため、食事以外でも手軽に鉄分を補充できます。逆に、鉄分の吸収を阻害するタンニンが多く含まれている緑茶やコーヒーなどの飲み物には、注意が必要です。

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